バージョン管理システムを使ったゴースト開発の方法
はじめに
ゴースト開発をしていると、以下のような状況が発生することがあります。
- 複数のバージョンを使って開発しているうちに、どれがどれかわからなくなった
(開発版、新機能テスト用の別の開発版、更新テスト用の通常版、など……)
- どういう経緯でここにこんな処理入れたんだっけ?
- 作業ミスで書き換える必要のないところを書き換えてしまった
- 更新時、今回の更新内容をまとめようとしたけど思い出せない
- 更新時、過去のnarを一応保存してるけど管理が面倒
- 開発中のゴーストのデータをしばらく放置してたら紛失した
こうした事象を解決するために、SVNを導入しよう、というのが本稿の趣旨です。これには、
- いつでも最新、もしくは過去のある時点のデータ一式を取得できる
- 過去から最新までのソースを一箇所にまとめておくことができる
- ソースが前の版から変更されているかどうかがひと目でわかる
- 変更があった部分について、簡単に変更前の内容を見比べることができる
- 更新内容を日時やコメントつきで記録することができる
……といった利点があります。
SVNというのはSubversionの略称であり、バージョン管理システムの一種を指します。
主にソフトウェア開発の際に、どんどん更新されていくファイル群の管理のために利用されます。
SVNのゴースト開発への適用については、2009年の伺か系勉強会(うかべん)で触れられた形跡があるなど、
ソフトウェア開発の知識があるデベロッパーは導入していると思われますが、
使っているという声はあまり表立っては聞かれません。
知識がある人にはあまりに当然すぎるツールであったり、あるいは開発環境を公開するような機会も
あまりないからかもしれません(あるいは、筆者が知らないだけ)。
筆者自身はSVNを以前から別件で使用していましたが、最近になってゴースト開発用に導入したところ、
予想外に導入が簡単になっており、かつ有用であったことから、
今回、SVNを用いたゴースト開発の方法を紹介するものです。
なお、対象としてはすでにゴースト開発をある程度理解している人を想定しています。
これからゴーストを開発する、という場合にも適用はできますが、
おそらく最初は必要性の低いものだと思います。
とりあえずは「こういうものもあるんだ」程度に思っておいていただければ幸いです。
本稿が「」によるゴースト作成の一助となり、
一体でも多くのゴーストが公開されることを願っています。
2015/12/23 公開にあたり追記:
この記事は2014年5月、同人サークル「\![vanishbymyself]」として頒布したCDに収録されたものです。
公開にあたり確認の上若干の修正を行っていますが、基本的な記述は作成当時のものです。
各ソフトウェアのバージョンも上がっているようです。
細かい部分で違いがあるかもしれません。もし現在の状況とそぐわない点などございましたらご指摘ください。
なおポートの扱い等、一部でセキュリティに影響する要素が関連します。
これについては各環境の差異等もあり、当方では詳細な回答や変更による問題の責任は負いかねますのご了承ください。
目次
- VisualSVN Serverの導入
- VisualSVN Serverのダウンロード
- VisualSVN Serverのインストール
- 起動と初期設定
- TortoiseSVNの導入
- TortoiseSVNのダウンロード
- TortoiseSVNのインストール
- 日本語化設定
- 初期リポジトリの構築
- 開発作業のすすめかた
- 開発用SSPを準備する
- ファイルを更新する
- よく使う機能いろいろ
- ネットワーク更新の準備
- リポジトリのバックアップ
- おわりに
サイトにもどる